「男性400万 vs 女性100万」 縮まらない給与格差 国税庁調査で見えた“男女の所得ピラミッド”とは

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 国税庁が実施する「民間給与実態統計調査」は、民間の事業所における年間の給与の実態を明らかにするための重要な統計調査です。調査対象は、2023年12月31日現在で民間の事業所に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない)です。

 調査結果では、日本の給与所得者の所得分布や、男女間での給与の実態に違いが見られます。特に興味深いのは、給与階級別の分布において、最も多くの人が属する「ボリュームゾーン」が男女間で大きく異なる点です。

出典:「民間給与実態統計調査」(国税庁)

画像はイメージです(画像:PIXTA
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男性給与所得者の所得ピラミッドのボリュームゾーン

 1年を通じて勤務した男性給与所得者は2887万人でした。男性の給与階級別分布において、最も人数が多いのは「400万円超 500万円以下」の階級です。その人数は504万人で、男性給与所得者全体の構成比の17.5%を占めています。

  次いで多いのは「300万円超 400万円以下」で430万人(同14.9%)、その次が「500万円超 600万円以下」で404万人(同14.0%)となっています。男性の場合、400万円台を中心に、300万円台から500万円台にかけて比較的厚い層を形成していることが分かります。

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女性給与所得者の所得ピラミッドのボリュームゾーン

 一方、1年を通じて勤務した女性給与所得者は2189万人でした。女性の給与階級別分布において、最も人数が多いのは「100万円超 200万円以下」の階級です。その人数は449万人で、女性給与所得者全体の構成比の20.5%を占めています。

 次いで多いのは「200万円超 300万円以下」で430万人(同19.6%)、その次が「300万円超 400万円以下」で396万人(同18.1%)となっています。女性の場合、男性に比べてより低い給与階級に人数のピークがあり、特に100万円台から300万円台に厚い層が形成されていることが分かります。

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男女で異なる所得ピラミッドの形

 この給与階級別分布の最も人数が多い層を比較すると、男性のピークが「400万円台」にあるのに対し、女性のピークは「100万円台」と、非常に大きな開きがあることが明らかです。これは、日本の給与所得者全体の所得構造において、男女間で異なるピラミッドの形が存在することを示唆しています。

※文中の数値は引用元の値をもとにした概数となっています。

「民間給与実態統計調査」(国税庁)からみる、男女の「平均給与」の差

画像はイメージです(画像:PIXTA

男性給与所得者の平均給与:569万円

画像はイメージです(画像:PIXTA

女性給与所得者の平均給与:316万円

画像はイメージです(画像:PIXTA

出典:「民間給与実態統計調査」(国税庁)

【2023年度版】都道府県別平均給与額

(出典元:政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別」

画像はイメージです(画像:写真AC

第47位:青森(249.9千円)

画像:イラストAC

第46位:宮崎(254.3千円)

画像:イラストAC

第45位:山形(255.8千円)

画像:イラストAC

第44位:長崎(257.3千円)

画像:イラストAC

第43位:鳥取(258.3千円)

画像:イラストAC

第42位:岩手(259.6千円)

画像:イラストAC

第41位:秋田(261.4千円)

画像:イラストAC

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