新生ワークマンは「迷走」か「進化」か? 「職人離れ」は止められるのか
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2025年2月20日、東京・南青山にて「新生Workman Colors 新製品発表会」が行われました。イベントは、ワークマン・土屋哲雄専務のプレゼンテーションからスタート。

スクリーンには『単なる「迷走」か? 「進化」か?』という、自らを煽るような印象的なフレーズが映し出され、「ワークマン女子」から「Workman Colors」への改名理由などが語られました。

方向転換により「職人軽視」の声
1980年、「いせや」の一部門として群馬県伊勢崎市に「職人の店 ワークマン」1号店がオープンしてから、実に38年もの間“愚直に”(土屋専務は愚直という言葉が好きなのだそう)作業服だけを作ってきたというワークマン。2018年に新業態「WORKMAN Plus」を出店し、2020年には「ワークマン女子」、2023年には「Workman Colors」を新設と、ここ数年で商品内容やイメージがガラリと変わりました。
2012年にワークマンに入社した土屋専務は、「しない経営」「エクセル経営」を導入し、業績を大きく拡大。著書『ワークマン式「しない経営」』は発行部数5万部を突破するなど、広く注目を集めました。しかし2024年3月期には業績予想を下方修正し、純利益が1割ほど引き下げられたことが話題に。
取り扱い商品の幅を大きく広げたことが、それまでワークマンを愛用していた職人に受け入れられず「職人軽視だ」といった声もあがったのです。
ワークマンの今後の3つの方針

ワークマンは、今後どのような方向性で再び業績を上げ、もともとの顧客であった職人を引き戻すのか――。端的にまとめると、今後のワークマンの方針は以下の3つ。
- 地方出店
- 男性顧客強化
- ロードサイド
「ワークマン女子」のように、ここ数年女性客に注力していた理由は、男性製品を女性のマネキンに着せて売り出したところヒットしたからなのだとか。ワークマンは最初から大きく手を広げることはなく「小さな成功事例を拡大する」方針とのこと。常にセーフティーネットを用意し、ダメならやめる。その判断を繰り返し、ここまでやってきたそうです。
たとえば、ワークマンが近年参入した「女性肌着」。大手メーカーが存在するなかで不安もあったそうですが、一年目60万着、その翌年には195万着、そして2025年春夏商品は300万着を作り、どんどん拡大しています。
また、これまでは女性はベーシック路線、男性はアウトドア系の派手なアイテムなどが多く男女でテイストが異なっていたため、今回男性もベーシック路線に参入することにしたのだそうです。
新生「Workman Colors」始動

これまで「ワークマン女子」を通じて女性客を獲得してきたワークマンですが、男性客が入りづらいとの声もあったそうです。特に地方では、男性にも来店してもらわないと経営が厳しい。そこでメンズもベーシックに参入し、これまで女性集客中心だった「ワークマン女子」を「Workman Colors」に改名、男女比率を1:1に近づけることを目標にするとのこと。
今後は、アクティブウェアやワークウェアを既存店「ワークマン(WORKMAN)」「ワークマンプラス (WORKMAN Plus)」などで販売し、トレンド性の高いカジュアルウェア「Colors商品」などを専売店「Workman Colors」で展開。既存店と専売店の販売戦略を明確に差別化することで、より幅広い層へアプローチする方針です。
快適普段着を象徴する「万能パンツ」

2025年春夏商品でイチオシだというアイテムの一つが「万能パンツ」。今回のメインテーマが「快適普段着」ということで、まさにテーマにぴったりなのがこのパンツです。
軽さ、ストレッチ性を備え、作業着としても普段着としても使えるきれいめのパンツ。「ベーシック市場には最大手が存在しているため、機能性を入れないと負ける」と土屋専務は語ります。価格は「ほかがマネできない1500円」。「ベーシック・機能性・低価格」という3拍子がそろっているのは魅力的ですよね。
コットンライクストレッチパンツ

ウールライクストレッチパンツ

「ワーク強靭化」の加速

「Workman Colors」では地方出店、ロードサイド、男性強化などの方針で売上を伸ばすというワークマン。一方で、既存の「ワークマン(WORKMAN)」「ワークマンプラス (WORKMAN Plus)」においては、「ワーク強靭化」の加速を打ち出しました。

その第1弾として、「最強仕事着」である4つの新製品が登場。特に、建設業界応援プロジェクトとして、EXILEのTAKAHIROさんを起用した新ブランド「ZERO-STAGE」を開始。ワークマンが有名人とコラボするのは初めてで、作業服におけるさまざまな機能が詰め込まれているそうです。
「職人離れ」を止められるのか?
もともと得意としていた「機能性・低価格」はそのままに、ベーシック市場に参入したワークマン。これまで「機能性は高いけどデザインがとがっていて着にくい」「ロゴをなくしてほしい」といった声もあったなかで、シンプルで使いやすく、機能性も備えたアイテムは重宝しそうです。
ただ、「ワーク強靭化」については未知な部分が多く、今後はたしてどんなアイテムが販売されるのか、どこが強化されるのか、有名人コラボは受け入れられるのかなどがカギとなりそうです。ワークマンは、一度離れかけた職人たちを引き戻すことができるのか? 今後の展開にぜひ注目したいですね。
ワークマン「新製品発表会」の詳細は、次のページからご覧ください!
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