「119番」は最初違う番号だった!? ちょっと意外な「3桁番号」の歴史

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 インターネットが普及して久しい今も、なにかと使う機会が多い「電話」。なかでも、緊急時にかける「110」「119」や災害用伝言ダイヤルの「171」など、1から始まる3桁の電話番号には重要な用途の番号が多く、いざという時に使えるよう覚えておいたり、電話帳に登録している人もいるのではないでしょうか。

 これらの電話番号は「3桁番号」として管理が行われていますが、どのような経緯で使われるようになったのか、その歴史をご存じですか? そこで今回は、「3桁番号」についての豆知識を紹介します。

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3桁番号ってそもそも何?

画像:PIXTA

 110や119など、1から始まる3桁の数字で構成される電話番号は、正式には「1XY番号」と呼ばれるものです。桁数が短いことから「覚えやすい」「ダイヤルしやすい」、また1から始まることで「特別な番号である、ということがわかりやすい」という特徴から、特定の用途で使われるようになりました。

 この番号には「A分類」と「B分類」の2種類があり、広く知られている番号の多くは緊急性・公共性・安全性などの観点から優先度が高いものなどが当てはまるA分類。B分類は、電話の発着信テストができる「111」など、主に電話にまつわるサービスや試験用に使われています。

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「119番」は元々何番だった?

画像:PIXTA

 今では広く知られている3桁番号ですが、日本で使われ始めたのは1926年のこと。それまでの電話は、電話局にいる電話交換手に相手を取り次いでもらう必要がありましたが、この年に交換手を介さない「自動交換方式」が取り入れられ、さらに「ダイヤル式電話機」も登場しました。この時に設定された3桁の特殊な番号の一つが「火災報知用」。当初は今と異なる番号が使用されていたのですが、いったい何番だったのでしょうか?

 正解は「112」。理由は諸説ありますが、ダイヤル式の場合「1」は回す距離が短く緊急時にもピッタリだと思われたから、最後を「2」にすることでいたずら電話を防止しようとしたから、などといわれています。しかし、翌年の1927年には「かけ間違いが多い」という理由で現在も使われる「119」に変更されました。ちなみに「9」が採用されたのは、地域番号(局番の第一数字)として当時はまだ使われていなかったため、とされています。

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3つある緊急通報の番号、110・119とあと一つは?

画像:PIXTA

 1948年には、警察への緊急通報用に「110」が使われ始めます。当初は一部エリアでしか通じませんでしたが、1954年には全国どこにいても使用できるようになりました。今ではすっかりおなじみとなった緊急通報用の3桁番号ですが、実は110と119のほかにもう一つ存在します。何番が設けられているでしょうか?

 正解は「118」。2000年から運用が始まった番号で、「海上の事件・事故の緊急通報」に使用します。海での事故に遭遇したり、不審な船を見かけたりした場合などに海上保安庁へ通報することが可能です。

 なお海上保安庁によると、2023年にあった約53万件の通報のうち、約52万件が間違い電話や無言電話など無効なものだったそうです。スマートフォンに搭載された「緊急通報機能」の意図しない動作など理由はさまざまあるようですが、もし誤ってかけてしまった場合は間違えた旨を伝えるようにしましょう。

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今後無くなる2つの3桁番号は?

画像:PIXTA

 覚えやすく便利な3桁番号ですが、過去にはサービスが終了した番号も。2023年末には、相手が話し中か調べる「114」、相手の通話が終了したら教えてくれる「159」、最後にかかってきた電話の日時と番号を教えてくれる「136」の3つの番号が終了しました。2024年10月時点では、さらに2つの3桁番号がサービス終了することが発表されています。

 NTT東日本とNTT西日本では、今後2つのサービスを終了すると発表しています。一つ目は天気予報の「177」で、2025年3月末をもって終了予定。二つ目は番号案内の「104」で、こちらは2026年3月末に終了予定です。どちらも「インターネットやスマートフォンの普及による手段の多様化」を終了要因の一つにあげています。

 次のページでは、主要な3桁番号をまとめています。

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